検証・勉強用途でOracle Database Enterprise Edition 12cR2を利用する

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Oracleを個人利用する方に向けた記事になります。 以前、Oracle Database Enterprise Edition 12cR1について記事を書きましたが、 Oracleのソフトウェアダウンロードページを見たら12cR2が出ていました。 手順としてはほぼ同様になりますが、手順と利用条件等について残して行きたいと思います。

▼以前の12cR1についての記事はこちら www.reclog.net

Oracle Database Enterprise Edition

Oracle Databaseを導入しようと考えた時にまず悩みのタネになるのはその価格だと思います。 StandardEditon2(SE2)やEnterpriseEdition(EE)等、個人での導入はちょっと桁が違います。

▽料金体系も複雑…だが高いのは分かる
価格表 | Oracle 日本
https://www.oracle.com/jp/corporate/pricing/price/index.html

そうは言っても、「Oracleの勉強がしたい」と考える方はいると思います。 嬉しいことに、OracleDatabaseのSE2やEEは条件付きではありますが無償で利用できます。
無償=タダです。
※全て無償で利用できるExpress Edition(XE)というものもあります。
(記事の最後にXEについて書きました。)

OTNライセンスの確認

Oracle無償で使う条件はソフトウェアダウンロードページにリンクされているOTNライセンス同意書に記載されています。 以下、そのOTNライセンスの一部の抜粋。

ライセンスの権利及び制限
オラクルはお客様に、本契約に明示する制限に従って、お客様のアプリケーションの開発、テスト、プロトタイプ作成、及びデモンストレーションのみを目的として(かつ、お客様のアプリケーションが、データ処理、業務、商用又は本番利用を目的として使用されたことがない場合に限られます)、その他のいかなる目的でもなく、本プログラムを内部的に使用するための、非独占的、譲渡不能の限定的なライセンスを許諾します。お客様は、お客様の委託業者/請負業者が本プログラムを使用することを、本契約で許諾されたライセンスの権利を委託業者/請負業者がお客様の代理として行使することを条件として、さらに、かかる使用において委託業者/請負業者が本契約を遵守することにお客様が責任を持つことを条件として、許可することができます。お客様は、お客様の委託業者/請負業者が本プログラムを使用する権利を厳しく制限し、かつ、その他においても本契約と同じ程度までオラクルの知的財産権を保護するための契約書を、お客様の委託業者/請負業者と締結するものとします。お客様は、本契約で許諾されたライセンスの権利を行使するのに合理的に必要な範囲で、本プログラムを複製することができます。お客様は、バックアップ目的で本プログラムを1部複製することができます。 OTN開発者ライセンス

色々書いてありますが…
「アプリケーションの開発、テスト、プロトタイプ作成、及びデモンストレーションのみを目的として(かつ、お客様のアプリケーションが、データ処理、業務、商用又は本番利用を目的として使用されたことがない場合に限られます)」とあるように、個人で勉強用途に使うのであれば無償で使うことができます。
アプリケーション開発とあるので、アプリ開発に使えるのかな?と思えますが、すぐ後に商用又は本番利用はダメと書いてあるので無理なようです。
「使用されたことがない場合に限られます」という表現も、例えばフリーソフトを開発してそれが商用や本番用途でツールとして使われたらダメという意味と考えると納得がいきます。

また、これ以外にもダメな行為が記載されていますので、それは実際にOTNライセンスを確認して下さい。 個人の勉強目的に使用するのみならば商用・本番用途には当たりません。

Oracleを扱ったアプリ開発を行いたい場合については大人しくOracleDatabaseXEを使用したほうが良さそうです。

準備:まずはOracle.comユーザ登録

OTNライセンスをしっかりと確認したら、実際にダウンロードを行っていきます。 ただし、ダウンロードするにはOracle.comのユーザ登録が必要となります。

oracle.comへの登録

基本は画面の流れに沿って入力すればOKとなりますが、個人として登録する場合は役職会社名は困る部分です。 それについて、個人の場合は会社名に個人名と電話番号は自宅電話番号で良いそうです。

www.oracle.com

プロファイルの作成が完了すると、登録確認メールが届くのでその確認をもって登録完了となります。

Oracle Database Enterprise Editon 12cR2のダウンロード

最後にOracle Databaseのファイルをダウンロードしていきます。 まずは、ページ上部にあるOTNライセンスの同意についてライセンスに同意するを選択します。

ライセンス同意ボタン前ライセンス同意ボタン後

左の画像が選択前、右の画像が選択後になります。
「ソフトウェアのダウンロードが可能になりました。」と出たらOKです。

OracleDatabase12cR2ダウンロード

今回はOracleDatabaseの12cR2をダウンロードするので、サイト上から「Oracle Database 12c Release 2」と記載されている部分を探して下さい。 見つけたら、インストール先のOSに合わせて対応するFile1をクリックすればOKです。
※ここでOracle.comへのサインインを求められる場合があります。その場合はサインイン後に同様の手順を踏めばOKです。 以上がOracleDatabase12cR2のダウンロード手順となります。

ダウンロード後はインストール作業がありますが、 基本は一緒なので以下の過去記事を参考までにご覧ください。

www.reclog.net

Oracleを使っている企業は多く、実行環境を用意して勉強していくことは自身のステップアップにも繋がります。 勉強環境が欲しいなーと思っている方は入れてみてはいかがでしょうか?

以下は余談ですが…

余談:Oracle Database Express Edition 11gR2

勉強用はいらん!開発用にOracle環境をタダで利用したいんだ!って言う場合には、OracleDatabaseのExpressEdition(XE)を利用します。 このXEは機能制限が多く使える用途は限られますが、商用にも使える無償版のOracleDatabaseとなっています。

▽Oracle社 Oracle Database Express Edition 11g Release 2のページ Oracle Database Express Edition 11g Release 2

Oracle社公式ページの表題にも~開発、導入、配布を無償で~とありますね。 調べてみたところ12c版はないようで11gR2が最新となっています。 ちなみにXEの機能制限は以下の通りです。

Oracle Database Express Editionのいかなる使用に対し、次の制限が課せられるものとします。1. Express Editionはいかなるサーバーでも単一インスタンスに制限されます。2. Express Editionは複数CPUサーバーにインストールできますが、いかなるサーバーでも実行可能なプロセッサは1つのみです。3. Express Editionは、最大11GBのユーザー・データ(Express Editionシステム・データは除く)をサポートする場合にのみ、使用することができます。4. Express Editionは使用可能なメモリーのうち最大1GBまで使用することができます。
Oracle Database Express Editionライセンス情報より引用

以前は単純に機能制限の部分を見て「使えない!」と思ってしまったのですが、 接続機能を実装するならこれでも十分かと思い直しました。

私の環境には勉強用途として既にEE12cR1を入れてあるので、 別環境を用意してXEを入れ、それを開発用に使えたらいいなと思っています。

それに関しては、いつか書くであろう別記事にて。